施行事例
2025/08/14
おくりびとのお葬式がお手伝いしたお客様の実例を、当社の葬儀担当スタッフがお伝えします。
※お客様のご了承をいただいて掲載しております。
このたび、親族25名ほどがご参列される曹洞宗のご葬儀が執り行われました。
喪主様はご高齢でありながらも非常にしっかりとされており、穏やかで柔らかい印象の方でした。
故人様とのお別れを惜しまれるお気持ちが強く、一度病院から式場へご安置された後、「改めて一度ご自宅へ帰してあげたい」というご意向を示されました。
そのため、式場からご自宅へお体を移動させた後、湯灌の前に再度式場へお戻しする形で対応いたしました。
このご判断には、故人様への深い愛情と、最期のひとときを大切にしたいという喪主様のお気持ちが込められておりました。
また、喪主様の長女様が献身的に支えられており、喪主様ご自身も、ご参列の皆様に丁寧にお礼を述べられるなど、非常に立派なご対応をされていました。
しかし、お別れの際にはこれまで堪えてこられたお気持ちがあふれ、「寂しいよ」と涙ながらに故人様をお見送りされました。
そのお言葉には、長年寄り添われた故人様への深い愛情が込められており、ご参列の皆様の心にも深く響いたことと思われます。
さらに、故人様が生前お好きだったと伺っていた焼き魚をご用意させていただいたところ、喪主様は「ずっと食べられなかったの。本当にありがとう」と大変喜ばれ、「おくりびとさんの
優しい心遣いが本当にうれしい」とのお言葉を頂戴いたしました。
こうした心のこもった対応が、ご遺族の悲しみに寄り添うものとなり、お見送りの時間をより温かいものとすることができました。
本儀にはご親族8名ほどがご参列され、古式湯灌の形で執り行われました。
ご遺族の皆様には、濡らした綿花を用いて故人様のお身体を清拭していただきました。
その際「ぜひお手を握って差し上げて、お言葉をおかけください」とご案内したところ、皆様それぞれが故人様への感謝の思いを込め、優しく語りかけながら清拭されておりました。
特に、涙をこらえながらも一つひとつの動作を丁寧に行われるご様子が印象的であり、ご家族の深い愛情を感じるお時間となりました。
喪主様は、故人様のお身体を隅々まで心を込めて清拭され、「気持ちいいかい、きれいにしてあげるからね」と優しくお声がけをされながら、最後のお世話を尽くされました。
そのお姿からは、長年にわたり故人様を大切に思い続けてこられたお気持ちが伝わり、ご参列の皆様も深く心を動かされたことと存じます。
湯灌の後は、ご遺族の皆様にお選びいただいた、鳳凰の刺繍が施された高級な仏衣へとお着せ替えをさせていただきました。
また、故人様が曹洞宗のご信仰をお持ちであったことから、喪主様にも旅支度をご一緒に整えていただきました。
故人様への敬意と感謝の気持ちを込めながら、慎重に準備を進められるご様子が大変印象的でした。
その後、お選びいただいた布張りの立派なお棺へ、ご遺族の皆様のお手で丁寧にご納棺され、厳かな雰囲気の中で儀式が進められました。
ご遺族の皆様の深い愛情と、故人様への敬意に包まれた、心温まるひとときとなりました。
最後のお世話を通じて、皆様が故人様との絆を改めて感じられる、貴重なお時間であったように思われます。