葬儀において、お花は重要な役割を担っています。
その種類もさまざまで、1つ1つの意味を熟知している方は少ないのではないでしょうか。
そこで、今回は献花について解説します。
日本の葬儀において、献花を行う機会はあまりないため、意味やマナーを知らない方も多いかと思います。
献花を知らない、聞いたことはあるけど詳しくは分からないという方は、ぜひ参考にしてください。
献花とは、参列者1人1人が哀悼の意を込めて献花台に花を手向けることです。
主にキリスト教での葬儀で行われます。
仏式で行われる「焼香」と同じ意味を持つため、最近では無宗教での葬儀やお別れ会などでも献花が行われるようになりました。
花は白いカーネーションやユリ、菊を使用します。
特にカーネーションは、1輪咲きで茎が長く献花に適している花です。
他にも、故人様が好きだった花を使用することもあります。
献花を行う際のマナーとして、流れを覚えておきましょう。
献花の流れ
1、遺族に一礼する
2、花を受け取り、花が右、茎が左にくるように持つ
3、右回りに花を回し、茎を霊前、花を自分側にする
4、献花台に置く
献花台に花を置いたあとは、宗教によって変わってきます。
キリスト教の場合、胸の前に手を組んで黙祷、または黙祷後に十字を切ります。
基本的に、これを行うのは信者の方だけで構いません。
無宗教の場合には、手を合わせたり、頭を下げて黙祷をしたりします。
最後に、牧師(または神父)と遺族に一礼をして終了です。
キリスト教において、献花を行うタイミングは式の最後になります。
1,牧師(または神父)入場
2,祈祷、聖書朗読
3,讃美歌斉唱
4,説教
5,弔電の紹介
6,黙祷(お祈り)
7,讃美歌
8,献花
9,終了
無宗教での葬儀やお別れ会の場合、式自体の自由度が高いため、献花のタイミングに決まりはありません。
式をどのように行うかは遺族が好きに決めることができるため、献花のタイミングもさまざまです。
献花は基本的に葬儀社の方で準備、手配をします。
祭壇横に飾る供花などと同様で、提携の花屋に依頼をし、葬儀の日に献花用の花を用意してもらいます。
そのため、遺族や参列者が用意する必要はありません。
また、供花や枕花などは持ち込む(または自身で手配、用意する)ことができますが、献花の持ち込みはNGです。
用意されたものを使用しましょう。
葬儀において、花には献花の他にも意味や役目があります。
献花を除いてその種類は、主に3つです。
♦供花(きょうか)
♦花輪(はなわ)
♦枕花(まくらばな)
1つずつ解説していきます。
通夜、告別式において、祭壇横に飾られる花を供花といいます。
読み方は「きょうか」または「くげ」です。
故人様への「最後の贈り物」という意味があり、供物として遺族や親族、友人などから贈られます。
花に贈り主の名札を立てるのが特徴です。
生花を使用し、白をベースに淡い色合いでアレンジされます。
故人様が生前好きだった色を取り入れることもでき、式場を華やかにする役目を担っています。
花輪とは、造花で作られた円状スタンドの飾りです。
供花と同じ意味を持ちますが、式場の中ではなく、出入口に飾られるのが特徴です。
外に置くためのものなので、造花で作られています。
個人ではなく、主に会社や企業、団体が贈ります。
亡くなってから葬儀までの間に贈る花を枕花といいます。
故人様の枕元に飾るお花です。
白色をベースに、小さい籠花でアレンジされます。
哀悼の意を込めて、主に親族や友人、知人から贈られ、自宅などに飾られます。
いかがでしたか。
献花は主にキリスト教での葬儀や、無宗教、お別れ会などで行われます。
近年、葬儀形式の多様化により、献花を行う葬儀も増えてきました。
特に無宗教での葬儀は、自由度が高く、式の内容を遺族が好きに決められるのが特徴です。
読経などは行わず、音楽を流しながら献花をしたり、思い出の写真をスライドショーで上映したりと、その内容はさまざまです。
故人様と遺族が最後に過ごす時間を、堅苦しい形式にはとらわれず、ゆっくり過ごしたいという意向も増えてきています。