【結論】納棺師になるのに資格は不要です
日本において納棺師になるために必須の国家資格は存在しません。
誰でもこの職業を目指すことは可能ですが、適切な知識や技術、そして心構えが必要です。
納棺師になるにはどうすればいい?
実のところ、納棺師には資格がないため、極端に言えば誰でも「納棺師」を名乗ること自体は可能です。
とはいえ、それで務まるほど甘い仕事ではありません。遺族の悲しみに寄り添いながら、
故人を丁寧に見送るには、高い技術と強い心が必要です。
納棺師として働くのであれば、やはり専門的な教育や現場での経験を通じて、
確かな技術と心構えを身につけることをおすすめします。
葬儀社や納棺専門会社に就職
納棺師を社内に抱えるタイプの葬儀社や、
外注を請け負う納棺の専門会社に就職することは有力な選択肢の一つです。
社内研修や現場でのOJT(実地研修)で技術を習得することが期待できるでしょう。
専門学校を卒業する
未経験からいきなり就職するのが少し不安な方は、
専門学校で納棺師になるために必要な知識やスキルを学ぶルートがおすすめです。
「納棺師 専門学校」などと検索すれば、インターネット上でいくつかの専門学校が見つかるでしょう。
「葬祭ディレクター学科」といったカリキュラムを通じて、納棺師になることも可能です。
おくりびとアカデミー
納棺師としての技術や心構えを学ぶための「おくりびとアカデミー」という学校があります。
修了者にはアカデミー認定資格の付与があります。
納棺や湯灌をはじめ、法律や特殊な処置の仕方まで、
納棺師になるにあたり必要な知識や技能を半年で身につけることができ、
葬儀の専門学校に比べ、納棺師として、より専門的な知識を学ぶことができるのが特徴です。
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求められる資質と心構え
納棺師は「故人を尊重する」という強い使命感が不可欠です。
遺族は深い悲しみの中にあり、喪主は葬儀の準備で精神的にも肉体的にも負担が大きい状況に置かれています。
納棺師は単なる技術者ではなく、心の支えとなる存在でもあります。
遺族の話に耳を傾け、温かい言葉をかけることも大切な仕事です。
加えて、長時間の立ち仕事や深夜の対応、細やかな所作への集中力も求められます。
精神的な強さと同時に、体力面での備えも重要です。
納棺師の将来性は?
結論から言えば、納棺師という職業は今後も一定の需要が見込まれる仕事です。
ただし、どのように成長・変化していくかは、社会の動きとともに変化します。
1. 少子高齢化による需要の増加
日本は世界でも有数の超高齢社会です。
死亡者数は今後しばらくの間増加傾向が続くと予測されており、
それに伴って葬送・終活関連のニーズも拡大しています。
納棺の儀式を大切にする人々が一定数存在する限り、納棺師の存在は不可欠です。
2. 儀式の多様化とパーソナライズの進行
一方で、葬儀の「簡素化」や「家族葬」の増加により、納棺のスタイルも多様化しています。
昔ながらの形式にこだわらず、より個人の価値観に寄り添う納棺や演出が求められるようになってきました。
そのため、「形式通り」ではなく、柔軟な対応力や提案力を持った納棺師が重宝される時代です。
3. 専門職としての地位向上の可能性
映画『おくりびと』以降、納棺師という職業に対する世間の理解と関心が高まりました。
今後、さらに専門的な研修制度や資格制度の整備が進めば、納棺師の社会的地位や待遇の向上も期待できます。
また、終活アドバイザーやグリーフケアの知識を持った納棺師としてキャリアの幅を広げる人も増えていくでしょう。
まとめ
納棺師になるために国家資格は必要ありません。
しかし、葬儀という人生の大切な儀式に深く関わる以上、必要な技術や知識、そして遺族に寄り添う心を育てることが何より重要です。
葬儀社や納棺専門会社で経験を積んだり、専門学校やおくりびとアカデミーで学んだりすることで、
確かなスキルと心構えを養うことができます。
FAQ
Q1:納棺師になるために本当に資格は必要ありませんか?
A:はい。日本では国家資格は存在しません。ただし、専門的な知識や技術を学ぶことは不可欠です。
Q2:納棺師になるためにおすすめの進路は?
A:葬儀社への就職や納棺専門会社への入社、または専門学校やおくりびとアカデミーでの学習が効果的です。
Q3:納棺師の仕事はどんな人に向いていますか?
A:人の気持ちに寄り添える共感力、冷静に行動できる判断力、体力や忍耐力を持つ人に適しています。
Q4:納棺師の収入や待遇はどうですか?
A:葬儀社や地域によって異なりますが、需要が高まるにつれて待遇改善の動きも広がりつつあります。将来的には専門職としての地位向上が期待できます。
Q5:納棺師の仕事は精神的に厳しいですか?
A:ご遺族の深い悲しみに寄り添うため、心の負担はあります。ただし、その分やりがいを感じる方も多く、故人を送り出す使命感が支えになることが多いです。


