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仏教の宗派とは?葬儀における宗派の違いや自身の宗派の確認方法を解説

仏教の宗派とは?葬儀における宗派の違いや自身の宗派の確認方法を解説

仏教の宗派とは?葬儀における宗派の違いや自身の宗派の確認方法を解説

目次

日本では、無宗教の人が多いと言われています。

しかし、お寺や神社といった宗教施設が生活の一部に溶け込んでいることもまた事実であり、特に葬儀においては基本的には仏教式の葬儀が最も多く行われています。しかし、仏教を実際に信仰していると言えるくらいまでに帰属している人は少なく、仏教とはそもそもどういうものなのかを知っている人もまた少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、現代日本に存在している仏教の諸宗派について、宗派ごとの特徴を解説していきます。葬儀の際に役立つ宗派の確認方法、違う宗派の葬儀に参列する際の注意点なども解説しますので、これを機に仏教の宗派についての理解を深めていきましょう。

仏教の宗派とは

仏教の宗派とは、インドで生まれた初期仏教を頂点とし、そこから歴史的経緯や思想の違いにより枝分かれしていった分派のことです。

仏教が日本に伝わるまで、あるいは日本に仏教が根付いて以降にも、さまざまな宗派が生まれました。現在日本には、13宗56派と呼ばれるさまざまな宗派が併存しています。

そもそも仏教とは?

仏教は、元々はインドで発祥した宗教です。

紀元前450年頃、今より2,500年前にブッダ(ゴータマ・シッダールタ 釈迦・釈尊とも呼ばれる)が開祖となりインドで始まりました。ブッダはサンスクリット語に由来し、漢字では「仏陀」と書きます。

インドで生まれた仏教は中国・朝鮮を経由して日本に伝わりました。仏教が日本に伝来したのは欽明天皇治世下の538年頃といわれていますが、当時は仏教を受容するかどうかで争いが起きており、それが教科書に書かれている蘇我氏と物部氏の対立に繋がっています。

その後聖徳太子が仏教を受容したことに始まり、聖武天皇による「鎮護国家」の思想によって全国に国分寺・国分尼寺が建立されたことで、仏教は日本に根付いたといわれています。

宗派を知っておくべき理由

宗派の違いは、いわば信仰の違いに直結します。

キリスト教でも、カトリックとプロテスタントでは大きく信仰内容が異なっているように、仏教も複雑な歴史的経緯を経て分派が生まれているため、同じ仏教だからと十把一絡げにはできません。

葬儀社によっては対応できない宗派もあるので、故人様の信仰している宗派を正確に把握しておかなければ、葬儀をどこのお寺や葬儀社に頼めばいいのかもわからなくなります。そのため、宗派は確実に把握しておく必要があるのです。

仏教の宗派ごとの特徴

仏教の宗派は現在、156に及びます。

非常にたくさんあるため全ては紹介しきれませんが、宗派ごとにさまざまな特徴や違いがあり、葬儀のルールも異なります。

ここでは、「十三宗」と呼ばれる代表的な宗派に絞って、日本仏教宗派ごとの特徴を簡単に解説していきます。

南都六宗に属する宗派

南都六宗とは、奈良時代の都である平城京を中心に栄えた6つの宗派を指す言葉です。

最初からこの名がついていたわけではなく、後述する「平安二宗」が生まれた後、平安二宗に対する形でこの呼び名がつきました。南都六宗には、「華厳宗(けごんしゅう)」「法相宗(ほっそうしゅう)」「律宗(りっしゅう)」「成実宗(じょうじつしゅう)」「倶舎宗(くしゃしゅう)」「三論宗(さんろんしゅう)」の6つが属しています。この中で日本八宗に含まれるのは、華厳宗・法相宗・律宗の3つで、それぞれの特徴は以下の通りです。

宗派

本尊

代表的なお寺

特徴

華厳宗

毘盧遮那仏

東大寺

華厳経を経典とする。葬儀を行わない。

法相宗

唯識曼荼羅

薬師寺・興福寺

念仏や坐禅などさまざまな修行を行う。葬儀を行わない。

律宗

盧舎那仏

唐招提寺・壬生寺

戒律の研究実践を主とする。葬儀を行わない。

平安二宗に属する宗派

平安二宗とは、文字通り平安時代に生まれた代表的な二宗を指す言葉です。

著名な2人の僧が中心となって開山した仏教がこれに属します。平安二宗に数えられる宗派は、教科書でも習う「天台宗」と「真言宗」です。また、天台宗から分派した「日蓮宗」「日蓮正宗」と、「浄土宗」「浄土真宗」も含みます。平安二宗から分派した宗派で十三宗に属する宗派は以下の通りです。

宗派

本尊

代表的なお寺

特徴

天台宗

釈迦・薬師如来

延暦寺

香典の表書きは「御霊前」とする 数珠は左手にもち親指と人差し指の間にかけ、房を垂らす 焼香は額に掲げて香炉にくべる

浄土宗

阿弥陀仏

知恩院・増上寺

香典の表書きは「御霊前」あるいは「御香典」とする 数珠は親指にかけ房を垂らす 焼香は額に掲げて香炉にくべる

浄土真宗

阿弥陀仏

本願寺

即身成仏の考え方があるので、表書きに「御霊前」は使用しない 数珠を二重にかけ親指と人差し指の間にかけ、房を垂らす 額に掲げず抹香をそのまま香炉にくべる(本願寺派)

融通念仏宗

十一尊天得如来

大念仏寺

数珠は左手にかける 参列者一同で「南無阿弥陀仏」を唱える 焼香の作法に決まりはない

日蓮宗

釈迦・日蓮聖人

池上本門寺・久遠寺

「南無妙法蓮華経」の題目を唱える 焼香は額に掲げて香炉にくべる 数珠は3本の房が出ている方を左手の中指にかけ一回捻り、2本の房が出ている方を右手の中指にかけ手を合わせる

時宗

阿弥陀仏

遊行寺

焼香は額に掲げて香炉にくべる(回数に決まりはない) 数珠は左手にかける

真言宗

大日如来

護国寺・新勝寺・金剛峯寺

焼香は額に掲げて香炉にくべる(3回) 数珠は両手の中指にかける

禅宗に属する宗派

禅宗とは、文字通り座禅を思想の中心に据えた宗派のことです。

宗派としては「臨済宗」「曹洞宗」の他、インゲン豆の由来となった隠元が開いた「黄檗宗」などが挙げられます。この3つの宗派はいずれも十三宗に属しています。なお、禅宗の僧侶を俗に禅僧と呼びます。

宗派

本尊

代表的なお寺

特徴

臨済宗

釈迦

建仁寺・円覚寺

数珠は二重にして左手の親指と人差し指の間にかける 「般若心経」を唱える 焼香は抹香をつまみそのまま香炉にくべる(1回)

曹洞宗

釈迦

永平寺・總持寺

焼香は2回 1回目は額に掲げ2回目はそのまま香炉にくべる 香典の表書きは「御霊前」か「御香典」 数珠は二重にし左手の親指と人差し指の間にかける

黄檗宗

釈迦

萬福寺

焼香は3回 額に掲げて香炉にくべる 「般若心経」を唱える

仏教の宗派の確認の仕方

仏教の宗派は、以上のように細かく分かれ、宗派ごとに違ったしきたりや作法・マナーがあるため、宗派の確認は非常に重要となります。

しかし、菩提寺はあっても仏教にそこまで帰依していない場合には、故人様本人も含めて宗派を知らないことも多いでしょう。しかし、宗派によって儀式の内容や作法も違う以上、宗派はなるべく確認しておかなければなりません。

故人様の宗派を確認する方法には、以下のようなものがあります。

♦詳しい親戚に宗派を聞く

♦菩提寺に連絡して宗派を確認する

♦戒名の特徴を確認する

なお、戒名の特徴について代表的なものは以下の通りです。

♦浄土真宗:法名軸や過去帳に法名(戒名)を書く。法名には男性の場合は「釋(釈)」、女性の場合は「釋尼」と入ることが多い。位牌は作らない

♦真言宗:戒名の頭に梵字の「ア」(子供の場合は「カ」)が入る

♦日蓮宗:戒名に「日」「法」「妙」と入ることが多い

宗教法人とはどういうものか

そもそも、仏教をはじめとする宗教法人とは、どういうものなのでしょうか。

宗教法人とは、俗にいう「宗教団体」のことです。日本では多数派の仏教をはじめ、神道やキリスト教も宗教法人にあたります。宗教法人は、教義を持ち、その教義を広める・儀式や行事を実施する・信者を教化育成することを主たる目的とする団体を意味します。

お寺の場合は1つのお寺が1つの宗教法人

意外と知られていませんが、全国にあるお寺は「単位宗教法人」といって、1つ1つのお寺がそれぞれに1つの宗教法人として運営されています。そして、今回取り上げている宗派をはじめ複数のお寺を内包する教派や教団は「包括宗教法人」といって区別されます。

自身の宗派と参列する宗派が違う場合の注意点

人は一人一人信仰する宗派や宗教が違うものです。

特に仏教にはこれだけ宗派があるわけですから、全員が同じ「仏教」であっても、葬儀の作法は宗派ごとに細かく異なります。

自身と違う宗派の葬儀に参列する際の鉄則として重要なのは「葬儀を出す側の作法に従う」ことです。当然ですが、もし葬儀に参列する人各々が自身の宗派の作法をバラバラにしていては、儀式が成り立たなくなってしまいます。

焼香や数珠の持ち方くらいならバラバラでもそんなに目立ちませんが、一斉に念仏や題目を唱えるなど式次第にも宗派の違いが大きく関係するので、原則として葬儀を出す側の宗派の作法に倣う必要があるのです。

そのため、自身と違う宗派を信仰する方の葬儀に参列する際は、たとえ家族であっても「自身の宗派と、葬儀を出す側の宗派が違う」ということを、しっかりと自覚したおかなければなりません。

宗派による焼香の作法の違いについては以下の記事も参照ください。

今更聞けない焼香の作法。焼香のまでの流れやマナーを詳しく解説

おくりびとのコラム

今更聞けない焼香の作法。焼香のまでの流れやマナーを詳しく解説

まとめ

以上、日本でも代表的な仏教の宗派についてそれぞれの特徴や作法の違いを交えて解説しました。

また、宗派や宗教法人とはそもそも何なのかや、自身と違う宗派の葬儀に参列する際の注意点も取り上げました。

自身と違う宗派の葬儀に参列する際には、相手側の宗派の作法に従いましょう。キリスト教の葬儀で念仏を唱えることはもちろん、念仏を重視する宗派の仏教式葬儀で般若心経を唱えるのも、明らかに浮いてしまいますし葬儀を台無しにしてしまいかねません。

自身と違う宗派の葬儀に参列する際には、参列する前に宗教や宗派の違いを意識し、参列する葬儀の作法をしっかりと調べて参列するのが、マナーであり大人の対応と言えます。