思いもよらず大切な人を亡くした悲しみの中でも、喪主を決めなければ、葬儀を滞りなく執り行えません。
喪主を誰にするかは家族で話し合って決めることが先決になりますが、実際、喪主になれば何から始めればよいか迷ってしまうことでしょう。
今回は、初めて喪主を務める際の不安や疑問を解消するために、喪主になったらやるべきこと、葬儀社に連絡した後の流れや注意すべきポイントをまとめました。
喪主の仕事を予め知っておくことで、不安や疑問は少なからず解消されること思います。是非一読していただき、落ち着いた気持ちで故人様を送っていただければと願います。
喪主になったらまず何をしなければならないのでしょうか。
喪主は遺族の代表者となり、葬儀を滞りなく執り行うための責任者です。
まず初めに
♦︎契約する葬儀社を決めた後、ご遺体の搬送場所を決める♦︎
葬儀社が決まっている場合・・・故人様が生前契約していた葬儀社があればそれを優先し、その葬儀社へ連絡します。
契約していない場合・・・・・・病院や利用していた施設に尋ね、紹介していただいた葬儀社に確認する。
自宅で安置が難しい場合は、葬儀社に確認し、搬送場所を決定します。
*自宅で亡くなった場合・・・かかりつけ医へ連絡し、死亡確認をしてもらいます。
♦︎「死亡診断書」を受け取る♦︎
人が亡くなった場合、医師により「死亡診断書」を発行してもらいます。死亡診断書は役所へ提出する「死亡届」の必要書類となります。
葬儀に関わる詳細な流れは、葬儀社との打合せで決めることになりますが、ひと通りの流れは次のようになるでしょう。
ご遺体を安置した後葬儀社との打ち合わせをします。
以下の項目を主に確認していきます。
♦︎故人様の宗派♦
故人様の宗派または無宗派の確認をしておき、伝えておきます。
♦︎葬儀の種類と規模♦
葬儀の予算は種類や規模によって大きく異なります。
葬儀の種類は、一般的に一般葬・家族葬・一日葬・直葬などがあり、故人様に見合った葬儀を確認していきます。
一般葬と家族葬は、通夜と告別式を2日にかけて執り行います。
一日葬は、通夜や法要は行わず、葬儀、告別式、火葬を1日で執り行います。
直葬は通夜や葬儀、告別式を行わず、火葬だけを執り行います。
♦︎葬儀の日程♦
曜日だけでなく、六曜や火葬場の予定を確認しておく必要があります。
♦︎菩提寺の僧侶の確認♦
菩提寺がある場合は、菩提寺の僧侶にお願いすることになりますが、菩提寺がない、または遠方の場合、葬儀社に紹介していただきましょう。
「火葬」の準備となります。
日本では「火葬許可証」がないと火葬を執り行えません。
市役所などに死亡届(死亡診断書)を提出し、「火葬許可証」を受け取っておきましょう。
亡くなってから7日以内に提出する義務があるため、忘れないようにしてください。
「おくりびとのお葬式」では、「死亡診断書」をもとに「死亡届」の作成サポートと提出を責任を持って代行いたします。
葬儀社との打合せで葬儀に関わるひと通りの流れを確認すれば、その内容に従って準備を進めていきましょう。
喪主のやるべき仕事は数多くありますが、葬儀社に事前にサポートを依頼しておくことが大切です。
ここでは葬儀社に連絡、打合せが終わった後の流れについて説明します。
葬儀の日程決定後は、
1.僧侶などの宗教者に連絡をします。
2.参列をお願いする方に葬儀を執り行う場所と日時を連絡します。
故人様が生前に葬儀に関しての遺志を示している場合は、その意思に従いますが、故人様の遺志がない場合、家族内で話し合い、連絡先を決定しなければならないでしょう。
参考として、一般的に葬儀の種類により訃報を連絡する人は次のとおりですが、家族内で決めた参列者に優先して連絡しましょう。
葬儀の種類 | 一般的な参列者 |
---|---|
一般葬 | 家族・親族・知人・友人・職場関係・地域の人 |
家族葬 | 家族・親戚・親しい友人 |
一日葬 | 家族・親戚 |
直葬(火葬式) | 家族・親戚 |
極力、撮影日の新しい写真を遺影として用意しておきましょう。
生前、故人様が準備しておるものがあればそれを使用すると良いでしょう。
受付は喪主に近い親戚の方や成人した孫にお願いするといいでしょう。
席順は実際の式場の中で葬儀社に確認することになりますが、予め参列者を想定して決めておきましょう。
葬儀社と事前に会食の打合せを行い、食事の内容や人数を確認しておきましょう。
参列者の食事は、予定参列者の人数分より少し多めに用意しておくと安心です。
葬儀社と品物の打合せを行い、御礼品や香典返しの内容や人数を確認し、葬儀社に準備、手配を依頼しておきましょう。
参列者にお渡しする会葬御礼品および香典返しは、予定参列者の人数分より多めに用意しておくと安心です。
また、余った品物は返品できるか葬儀社に事前に確認しておくことも忘れないで下さい。
宗派などにより、僧侶など宗教者のお布施の金額が異なる可能性があるため、事前に葬儀社に確認し、準備しておきましょう。
主なものとしては
※お布施・・・・・仏教式で葬儀を執り行い、僧侶に読経をお願いする際に寺院に納めるもの
(仏教式で行わない場合は、お布施は不要となります。)
※お車代・・・・・僧侶に足を運んで頂いたことへの気持ち
※御膳料・・・・・お膳に代わって渡す費用
供花の配置や弔電を読み上げる順番を葬儀社と確認しておきましょう。
喪主は葬儀社と調整した後もやるべきことがあります。
通夜と葬儀・告別式の準備の再確認や僧侶、参列者を出迎えての挨拶などです。
通夜や葬儀・告別式が始まると葬儀社との打合せ時間が取れなくなる可能性があります。
できる限り、葬儀社と事前打合せの際に通夜から葬儀・告別式から火葬場までの喪主の役割を確認、整理しておくことが大切です。
ここでは、喪主が、通夜や葬儀・告別式、火葬までの一連の流れの中で注意すべきポイントについて確認しておきましょう。
♦︎僧侶や参列者を出迎え、挨拶
♦︎焼香が終わった後の挨拶
♦︎会食前に挨拶
♦︎僧侶へのお布施のお渡しおよび御礼
♦︎葬儀社に弔事、弔電を依頼
♦︎供花、供物の並べ方や順序の確認
♦︎喪主の挨拶文の確認
♦︎火葬場に行く僧侶や参列者の人数を確認し、葬儀社に車の手配を依頼
♦︎僧侶や参列者を出迎え、挨拶
♦︎焼香が終わった後の挨拶
♦︎出棺前に遺影の用意
♦︎火葬場へ向かうための車の確認
♦︎火葬場の担当者に火葬許可証を提出
♦︎火葬中に僧侶と今後の法要について調整
♦︎骨上げの立ち会い
喪主は葬儀・告別式を滞りなく執り行うための責任者です。
限られた時間の中で、葬儀社との打合せや葬儀の準備、通夜や葬儀・告別式、火葬と多忙になるでしょう。
すべての役割を担う喪主ですが、可能な限り、葬儀社に依頼し、家族で行うことは役割分担を決めて、手抜かりのないように注意したいものです。
喪主の役割は重いですが、すべてを一人で抱え込まず、葬儀社や家族と連携し、相談しながら決めていくことが大切です。