「お盆やお彼岸とは?」
「お盆やお彼岸には何をするの?」
そのような疑問をお持ちでしょうか。
「お盆」「お彼岸」という言葉自体を知っている人は多いと思います。
しかし、「実際の意味」「期間中に行うこと」を詳しく知っている人は少ないでしょう。
そこで本記事では
♦お盆・お彼岸とは?
♦期間中に行うこととは?
を、分かりやすく解説します。
特に、初めてお盆やお彼岸を迎える方は、理解を深めるきっかけになるでしょう。
お盆は、正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と呼ばれます。
亡くなられた方やご先祖様が、あの世(浄土)からこの世(現世)に戻ってくる期間とされています。
一般的に「お盆」というと8月をイメージする人が多いと思います。
しかし、お盆の期間は地域によって異なります。
♦旧暦7月15日(旧盆)・・・沖縄地方など
♦新暦7月15日(新盆)・・・東京、横浜、静岡など
♦新暦8月15日(月遅れの盆)・・・その他の地域
期間は地域によって違いますが、故人様やご先祖様の幸せ(=冥福)を祈る機会である考えは共通です。
一般的なお盆の風習をご紹介します。
♦盆の入り(盆入り)の8月13日に迎え火を焚いて、ご先祖様をお迎えする
♦仏壇にお盆飾りをして、家族と同じ食事を3度お供えする
♦盆明けの16日に送り火を焚いて、あの世へお送りする
盆入り(8月13日)夕方の暗くなり始めた頃に、ご先祖様を迎える「迎え火」を焚きます。
「迎え火」は、家の門口や庭先などでおがらを燃やします。
仏壇は、霊前灯と呼ばれる小さな提灯や盆花を飾り、位牌のまわりを華やかにします。
供え物は、家族と同じ食事を3度用意しましょう。
そして、盆明け(8月16日)の暗くなり始めた頃、ご先祖様を送り出す「送り火」を焚きます。
送り火は、迎え火と同じ場所でおがらを焚くことが一般的です。
ご先祖様を温かく迎え入れ、生前のご恩に対する感謝や、安らかな成仏を願ってお盆の期間を過ごします。
「彼岸」は仏教の言葉が語源です。
三途の川をはさんで、この世を此岸(しがん)、仏様の世界を彼岸と表現します。
お彼岸は「到彼岸(とうひがん)」という意味も持ちます。
煩悩や迷いのあるこの世から、悟りの境地に達したあの世へ至るために行う修行のことを指します。
由来は修行を指しますが、現代ではご祖様を偲ぶ期間・来世を偲ぶ期間として捉えられています。
お彼岸は毎年2回(春と秋)にあります。
♦春彼岸:春分の日を中心とした前後3日合計7日間
♦秋彼岸:秋分の日を中心とした前後3日合計7日間
日本では、上記の春と秋のお彼岸の7日間を、死者や先祖供養の日として大切にしています。
お彼岸の風習をご紹介します。
お彼岸の期間に行うことの代表例は下記の3つです。
♦仏壇、仏具の手入れと掃除
♦お墓の掃除とお参り
♦供花やお供え物の準備
ご先祖様を想い、普段より仏壇・仏具の手入れや掃除を丁寧に行います。
そして、お墓の掃除を行い、お墓の左右にある花立に花束を供えます。
また、果物・菓子などのお供え物を用意します。
春彼岸はぼた餅、秋彼岸はおはぎを選ぶ風習があります。
ご先祖の生前好きだったものをお供えする人も多いです。
亡くなって四十九日の忌明け後、初めて迎えるお盆を「新盆」と呼びます。
亡くなって四十九日が過ぎた後、初めて迎えるお彼岸を「初彼岸」と呼びます。
それぞれ故人様の霊が初めて帰ってくる特別な期間として捉え、手厚く供養を営みます。
新盆を迎えるにあたって行うことは下記の4つです。
●盆飾りのための盆棚(精霊棚)や盆提灯・精霊馬などの準備
●新盆法要の手配、招待する方々への連絡
●お布施の準備・会食の手配
●参列者への返礼品の手配
盆飾りのための、盆棚(精霊棚)や盆提灯・精霊馬などを準備します。
通常、葬儀を行った葬儀社が手取り足取り教えてくれることが多いでしょう。
新盆には、家族・親族・故人様と親しかった人などで法要をします。
菩提寺の住職に来てもらい、法要をお願いしましょう。
並行して招待する方々にも連絡をとりましょう。
また、法要後は会食を設けることが一般的です。
会食会場や参列者への返礼品の手配も行いましょう。
初彼岸は、通常の「お彼岸」と基本的に行うことは変わりません。
具体的には、
♦仏壇・仏具の手入れや掃除
♦お墓の掃除・お参り
♦お供え物の用意 など
ご先祖様へ感謝の気持ちを抱きつつ、普段よりも丁寧に行うようにします。
お線香を手向けるのも忘れないようにしましょう。
そして、お墓の掃除とお参りを行います。
先に記載した通り、春のお彼岸には「牡丹餅(ぼたもち)」、秋のお彼岸には「おはぎ」を選ぶのが一般的です。
お盆やお彼岸について解説しました。
今までお盆やお彼岸に関して深く知らなかった人も、理解が深まったのではないでしょうか?
特に、大切な方が亡くなってから初めて迎えるお盆やお彼岸は特別な期間です。
ご先祖様を偲び、感謝の気持ちをもって過ごしたいものです。