「家族が危篤だと言われた。何をすれば良いのだろう?」
そのようにお困りでしょうか。
大切な人が「危篤」との告知を受けたら、平常心ではいられず、悲しい気持ちや混乱から、落ち着いた行動がとれない人も多いでしょう。
そこで本記事では、「危篤とは?」といった基本知識から、「危篤~臨終~葬儀までの備え」まで、網羅的に解説します。
やるべき内容を把握して、少しでも落ち着いた気持ちで動けるようにしたいものです。
危篤(きとく)とは、命の危険が迫っていると担当医師が判断した状態です。
♦入院中に病状が悪化して、医師が手を尽くしても回復が期待できない場合
♦大きな事故に遭って、いつ亡くなってもおかしくない状態である場合 など
危篤の状態に陥っている背景はさまざまです。
危篤と告げられたら、基本的には回復を期待できない状態と考えていいでしょう。
短くて数時間・半日、長くても2・3日以内で亡くなってしまうことが多いようです。
ただし、危篤と判断されても意識を取り戻すケースがあります。
いずれにしても危篤の場合は命の危機が迫っている状況には変わりないため、最期を迎える心構えをしておきましょう。
家族が危篤状態に陥ったら、臨終後の手続きや段取りを考えておく必要があります。
まだ命がある状態で臨終後のことを考えるのは辛いことです。
しかし、最期の時を迎えてから動き始めるのではとても慌ただしくなるため、準備をすすめておきしょう。
病院で亡くなると、一時的に慰安室に安置されます。
慰安室にいられるのは半日ほどなので、速やかにご遺体を移動させなければなりません。
葬儀社が決まっている場合は連絡を入れて、搬送とご遺体の安置をお願いします。
葬儀社が決まっていない場合は、病院が紹介する葬儀社から選ぶことになります。
その場合は搬送だけお願いし、あとから葬儀社を検討することもできます。
しかし、安置までお願いしてしまうと搬送・安置の対応をしてくれた葬儀社で、そのまま葬儀を行うケースがほとんどではないでしょうか。
ご臨終を迎えてから葬儀社を探し出すとなると、時間的制約や悲しい気持ちから冷静な判断が難しくなります。
ですので、危篤状態に陥った段階で葬儀社選びを始めると、のちの後悔を防げるでしょう。
病院で死亡が確認されると、担当医師が「死亡診断書」を作成します。
「死亡診断書」は葬儀や火葬をする際に必要になる書類です。
発行費用は病院によって異なりますが、保険は適用されません。
安くて1千円程度、高くて1~2万円ほどの費用を請求される場合があります。
加えて入院費の請求も発生するため、やや多めのお金の用意をしておくと良いでしょう。
また、死亡診断書は「死亡届」も兼ねており「死亡届」は死亡してから7日以内に役所へ
提出しなければなりません。
死亡届には、家族が記入する欄があります。
【記載の内容】
♦故人様の氏名
♦生年月日
♦住所
♦本籍地
♦届出人の氏名
♦住所など
不明な項目があれば、予め調べておきましょう。
なお、死亡届の提出は葬儀社が代行して提出してくれることが多いようです。
代行をお願いする場合には、書類の訂正に印鑑(認め印)が必要となるため印鑑を預けておくとよいでしょう。
危篤の場合は、死が近いとして家族・親族など親しい人を呼び集めるように医師から促されます。
できるだけ早く連絡をとり、最期を看取るための準備を始めます。
連絡をする順番は、家族から行います。
すぐに連絡すべき近親者は、一般的に3親等(配偶者・こども・孫・祖父母など)までといわれています。
しかし、本人と親しい場合やひと目会わせたいと思う人がいるなら、「3親等」にこだわらず連絡を入れましょう。
伝える主な内容は下記の5つです。
♦危篤者との続柄を述べる
♦容態と状況の説明
♦駆けつけてほしい/待機していてほしい
♦病院名と住所・電話番号
♦自身の連絡先(携帯電話)
まずは危篤者との続柄を述べます。
「○○(危篤者)の長男の××と申しますが・・・」と始めるのが良いでしょう。
次に、危篤と告げられたことや、容態・状況を簡単に説明します。
そして、病院に来てほしいのか、自宅などで待機していてほしいのかを伝えます。
合わせて、病院名・住所・電話番号もお伝えしておきましょう。
また、自身の連絡先を伝えておけば、その後の連絡もスムーズになります。
危篤に陥った人が息を引き取ると、医師は最終的な確認を行ったあとに「臨終」を宣告します。
病院や葬儀社にもよりますが、以降は下記のような流れが多いです。
【病院~葬儀社での対応】
♦医師の死亡判定・宣言
♦アルコールでご遺体を清めて着替えをする
♦ご遺体の一時安置
♦ご遺体の搬送
♦ご遺体の安置
♦ご遺体のケア
♦湯灌・納棺の儀
ご遺体の搬送・安置・ケアと並行して、葬儀社との打ち合わせを始めます。
【打ち合わせ内容】
♦葬儀の日程を決める
♦葬儀プランを決定する(見積りをとる)
♦返礼品・香典返しを決める
死亡後の手続きや葬儀に向けての準備は、分からないことが多く葬儀社頼みになりがちです。
信頼できる葬儀社・担当者とあらかじめ関係性をもっておくと、安心して手続きなどの対応をお願いできるはずです。
家族が危篤状態に陥った時の対応について解説しました。
危篤の連絡は急を要するので、なるべく早く行うようにしましょう。
臨終後は故人様とのお別れの時間がじゅうぶんに取りにくい状態となります。
且つ、葬儀への準備で慌ただしくもなります。
落ち着いた対応ができにくい為、事前に調べられること・準備できることなどはあらかじめ対策しておくと良いでしょう。